スタインウェイコラム

調律-tuning

調律・修理・メンテナンス

ピアノとハーモニー

弦楽器・管楽器など、音程を微妙に調整できる「作音楽器」の場合、アンサンブルの際は微妙に音程を調整し濁りのない純正調のハーモニーを作ることができます。しかし鍵盤楽器では1オクターブ12音の中であらゆる調性に対応するため、音程はいわば妥協によって成り立っています。ピアノの調律は「平均律」でなされる事が殆どです。(古典調律-ベルグマイスターやミーントーンなど-でおこなわれる事も稀にあります)

平均律では3度-ドとミの和音だけでなく5度―ドとソの和音でもうなりが生じます。

こうした制約の中ではありますが、調律師はその技術と経験を駆使してできるだけ美しいハーモニーになるよう努力しています。

8音階の音程比(振動数の比)

ピアノの音の伸び

ピアノのひとつの鍵盤には高音部から中音部にかけては弦が3本張られています。低音部に比べて音量が不足するためそうしています。従ってこの3本の弦の音程をキチンと合わせることも調律師の仕事です。合わなければ唸りが生じ、きれいに聴こえないからです。

しかし3本の弦がキチンと合い過ぎると「音に伸びやかさがなくなり、なんだかつまらなくなる」という事が経験的に言われてきました。
ピアノの設計者によれば、ほんの少し音律がずれているほうが音が伸びて聴こえる、ということは数値的にも計算できるそうです。

一つの鍵盤に張られた3本の弦

一つの鍵盤に張られた3本の弦

▲ ひとつの鍵盤に張られた3本の弦

そこで調律師の腕の振るいどころです。
コンサート調律の時は特に重要な音が良く伸びるように調整して演奏者を助けます。
音が伸びないと演奏者は「早く次の音に移らなくては」とせかされますが、音が伸びてくれると演奏者は落ち着きます。余韻に身をゆだね、音楽を作る余裕が出てきます。

このような調律法をご家庭のピアノでやった場合はどうなるでしょうか?
コンサートの場合は演奏会のたびごとに調律しますので、コンサートの後、音律が少々狂ってきても問題はありません。しかしご家庭の場合は1年か半年に1回が普通に調律される頻度ですから、温度湿度の変化などで音律が更に変化する可能性があります。そうすると「もう狂ってきたわよ」とご不満を受ける事もあり得ます。従ってご家庭で実施する調律法はやや保守的になりがちです。そのあたりをお客様とよく会話して双方理解のもと、よりご満足いただける管理をして行けることを私たちは希望しています。

ピアノ調律と音色作り

ピアノは中音部から高音部にかけてはひとつの音程に3本の弦を持っています。低音の弦に比べて音量が不足するためです。ところが幸いにもこの3本の弦を一つの音程に調律するプロセスで、音色も変えられるのです。調律師は様々なお客様宅での調律の積み重ねやコンサート調律の経験から、お客様の求める音について敏感になり、自分が良いと思いまたお客様が支持してくれる音の理想を調律のプロセスで追求して行きます。調律師の腕の見せ所です。

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